漫画界一の愛妻家である古泉智浩と映画監督、村上賢司が大学時代に聞かされたフェミニズム論によって女性の価値観が他人と変わってしまったため、2013年の現在、フェミニズムについて改めて再考するトークショー。司会は漫画家の河井克夫先生。ゲストは、女性漫画家のしまおまほ先生と歌人の枡野浩一さんです。
〜イントロダクション〜
今から20年以上前、一浪して専修大学に入学したオレは、一般教養で教育学という講義を受講した。
教育の歴史と同時に男女の性差についての 非常にみっちりと学んだ。
それが、とても新鮮で、目から鱗がボロボロと剥がれ落ちるような、 世界に対する目線がひっくり返るような面白い価値観に思え、翌年にはその先生のゼミも受講した。
当時はフェミニズムという言葉の意味も分からなかった。 後にそれが、上野千鶴子のフォロアーの先生によるフェミニズムであり ジェンダー論であることが分かった。
女性を守るなどというのは男社会の考えであり、旧時代の遺物であり、差別なのだ! 男女の性差など最早科学により克服できる問題なのである!
なるほど、そうだったのか。オレはこっちこちの童貞であった。
童貞が童貞のままにフェミニズムの洗脳を受けると果たしてどうなってしまうのか。
女の子を大事にするのは失礼なので、男女もなく人間として接するように心がけるようにしていた結果、まともな恋愛がとてもできなくなるのだ。
実際問題、まったく彼女ができないまま童貞で苦しむ結果になってしまった。
いろいろあって、童貞はなんとか克服したのだが、フェミニズムで学んだ事が実際に接する女性にはまるで役に立たず、むしろ女性に好かれない要因であった。
妻は今も口を酸っぱくして「その学問の一番の被害者は私」と女性であるにもかかわらず言う。
果たしてフェミニズムは大丈夫なのか?
古泉智浩
大学で「男女差なんかない!」と教えられたときは衝撃だった。そして前のめりになりフェミニズムを学んだ。ジェンダー、ジェンダーとつぶやきながら世の中を見続けた。あの時に学んだことは今でも間違っていないと思っている。正しい。絶対的に正しい。しかしだ。正しいことが、幸福を与えてくれると限らない。というか、与えてくれない場合が多い。あの時、フェミニズムを学んでいなかったら?と時々思う。低く見積もってもあと5人ぐらい多く女の子とつき合えたのかも?と思う。人生はたぶん、おそらく、一度きりのようだ。もう43歳になってしまった。もう回復することはできない、ようだ。せめて、私の恨み節を聞いて欲しい。女の子にどうしても優しくできなかったバカな男の恨み節。多少はエコーを効かせて、聞きやすくいたします。
村上賢司