ここが見所

コーダ あいのうた(2021年/シアン・ヘダー監督)

湊本陽夫

実行委員会 理事
まちなかビブリオ倶楽部 代表

私の兄は、第1種精神薄弱者(ダウン症)です。生まれた時から、障碍をもった兄と共に生活をしてきました。子供の頃は、兄ばかり優遇されたりして正直嫌な面もありました。現在は兄のおかげで、様々な経験や人々と巡り会うことができ感謝しています。

映画タイトルCODAは、耳の聴こえない親に育てられた子供という意味です。豊な自然に恵まれた海の町で暮らす女子高生ルビー、両親と兄の4人家族で一人だけ耳が聞こえます。新学期、合唱クラブを選択し、様々な困難に直面しながら自分の夢に向かって進んで行く物語。主人公ルビーの家族への愛情と葛藤、思春期真只中のラブストーリー、劇中で流れる名曲の数々・・・作品は高く評価され、米アカデミー賞作品賞を含む主要3部門を受賞しました。真面目で固いイメージをする方もいると思いますが、大笑いして、気まずい空気になり、そして心温まる作品内容ですよ。

映画タイトルCODAには、もう一つの意味があります。音楽記号で、曲中の大段落の締めを表す→新たな章の始まりを表します。鑑賞後には、この意味を深く味わえると思います。映画後半二箇所で、感動的な歌唱シーンがあります。これは是非、当映画祭のPLAT・アートスペースで鑑賞して欲しい!映画と同期する体験ができ、より作品を堪能する事ができる事を私が約束致します。

主人公ルビーは、この家庭に生まれてきた事を苦悩しながらも感謝していると想像します。
私も兄のおかげで、様々な経験や人々と巡り合うことができ感謝しています。


上映日/2023年2月25日(土)15:15〜
提供=スバル東愛知販売株式会社