ここが見所

ゴヤの名画と優しい泥棒(2020年/ロジャー・ミッシェル監督)

匿名映画祭フアン
10月に3年ぶりの豊橋まつりが開催された。例年の規模ではないものの、多くの人が街に溢れ、コロナ前の日常が戻りつつあると感じられました。

規模は縮小されたものの「総おどり」も開催された。揃いのゆかたを着て、華麗に踊る団体、コスプレで楽しげに踊る人、キョロキョロ周りの踊りを確かめながら踊る人など、年代、性別、国籍などが異なる1万人以上の参加者、観客が楽しみました。

この「総おどり」に参加するのは簡単ではありません。夏頃から各団体のリーダーは参加者を募り、事前に踊りの練習会をし、衣装を考え、打ち上げの店を予約するなど、やることがたくさんあります。

準備のために、メールを打ったり、電話を掛けたり、集まって打ち合わせをしたり。とても大変な作業ですが、これら通じて、仲間との絆や地域とのつながりを深めることができるのも総おどりの魅力です。

この映画は1961年にイギリス・ロンドンのナショナル・ギャラリーで起きた絵画盗難事件に基づくコメディーです。60歳のタクシー運転手が、絵画を人質にして政府に身代金を要求する。目的は金銭ではなく、孤独な老人たちを救うこと。テレビが娯楽の大半を占めていた当時、絵画の身代金を寄付して公共放送BBCの受信料を無料にし、テレビを通して老人たちの社会とのつながりを保つために犯行に及びます。

劇中で主人公は「私は、あなたなしでは何もできないし、あなたは私なしでは何もできない。」と話します。他者や地域とのつながりがいかに大切なものかを感じさせてくれるこの作品を大切な人と共にご覧ください。


上映日/2023年2月11日(土)9:30〜
提供=寿鉱業株式会社