風の谷のナウシカ(1984年/宮崎駿監督)
「ナウシカの戦いは終わったのだろうか?」
34年前、入ったばかりの大学の学食に置いてあったチラシの見出しが、いまだに忘れられずにいる。当時の私は映画のタイトルしか知らなかったが、「風の谷のナウシカ」の映画が公開されて数年、各方面に様々な影響を及ぼしている頃だったのだろう。
言わずと知れたスタジオジブリ最初期の作品で、宮崎駿監督はじめジブリの根幹を支えるスタッフが皆関わっている最もジブリらしい作品だと思う。私が原作となった漫画を読んだのはずっと後で、これだけ長い漫画をうまくエッセンスを取った形で映画にまとめた腕に感心した。その一方で、映画よりさらに踏み込んだ世界観に、やはり漫画を読まないと、宮崎監督が訴えたかったことはつかめないかもとも思ったものだ。冒頭の問いは、映画を見た学生が、漫画の中ではさらに続く戦いのことを言ったのかと思ったりした。
だから、ぜひ、原作も読んでいただきたいのだが、映画には映画しかない素晴らしさがある。宮崎監督を空の作者と呼ぶ人がいるが、空を飛ぶシーンの爽快感はさすがである。王蟲の迫力、戦いの臨場感。アニメーションの魅力にあふれている。これをスクリーンで見られる今回の機会は貴重だ。
そして考えさせる環境問題。地球と私たち。冒頭の問いが忘れられないのは、その答えが出せていないからなのだ。
上映日/2023年2月4日(土)15:50〜
提供=豊橋信用金庫