ここが見所

スタンド・バイ・ミー(1986年/ロブ・ライナー監督)

佐々木順一郎

実行委員会 会長
映画コレクション・しねとろ倶楽部 主宰

スティーブン・キングの短編小説「死体」をロブ・ライナー監督が映画化したノスタルジックな青春ドラマ。
主題歌も大ヒットしてメロディと共に印象に残る作品として思い出を持つ方も多かろうと思います。ベン・E・キングの主題歌であるこの曲は映画用に作成されたのではなくて、曲そのもののリリースは1961年。ジョン・レノンがカバーしたりと大ヒットを飛ばしていた楽曲で、主題歌が決定したことでリバイバルヒットを果たし現在もスタンダード・ナンバーとして愛されています。

オレゴン州の小さな田舎町キャッスルロック。それぞれに家庭の問題を抱える4人の少年たちが、町から30キロばかり離れたところに列車の轢死体が放置されているという噂を聞き、好奇心で線路沿いに死体探しの旅に出るひと夏の経験を一人の回想形式で描く。

映画のラスト、4人のうちで小説家になった男が小説にこう書き記す。「あの12才の時のような友達はもう出来ない」と。二度と出来ない事で溢れている日常を思えばハットとすることもあるでしょう。この先の人生で、あとどのぐらいの人と出会い別れるのだろう。そんな友人との楽しかった日々は誰でも確かにあった事に気付き大切に想うことをこの映画は教えてくれます。

主演者のひとりであるリバー・フェニックスも若くして世を去ったので、この映画での少年たちの葛藤や素直な心が生み出すセリフや行動には、心打たれるものばかりということが青春映画の名作と言われる所以ではないでしょうか。スロータウン映画祭初登場の「スタンド・バイ・ミー」を是非ご覧下さい。


上映日/2024年2月3日(土)13:10〜
提供=オーギヤグループ