ここが見所

ロボット・ドリームズ(2023年/パブロ・ベルヘル監督)

山本光伸

実行委員会 副会長
(株) 小倉屋 顧問

ドッグとロボットの温かくもほろ苦い友情を描いたアニメ作品。舞台はニューヨーク、それも、小ぎれいになった現代のNYではなく、たぶん1980年代だろうか、まだジェントリフィケーションの進む前のきらびやかさと薄汚さと危なさが混在する、様々なポップ・カルチャーを生み出したエネルギーに溢れた時代だ。人種のるつぼと言われたNYを表現しているのか、登場人物(動物?)は擬人化され、様々な動物たちが行き来する。

そんな街で暮らす主人公のドッグは孤独を紛らわすために、テレビのCMに魅せられ友達ロボットを通販で購入する。エンパイヤステートビルディング、セントラルパーク、クイーンズボロ橋、コニーアイランド、二人はNY中を巡って楽しい一夏を過ごし、友情を深めるのだが・・・・・。出会いと別れ、そして、すれ違い。とにかく切ない。でも、ささやかな幸せを暗示して物語は終わる。

全編セリフがないが、それを補うのは、ラップ、パンク・ロック、サルサ、ソウル、ディスコ等々、NYらしい様々な人種を象徴する多彩な音楽だ。特にカギとなるのがアース・ウィンド&ファイヤーの『セプテンバー』。言わずと知れた大ヒット曲だが、ノリのいい、明るい曲調のこの曲、歌詞の内容を知り、映画のストーリーを重ねると切なくなる。セリフがないから余計に切ない。

題名は「ロボットの夢」、この「夢」がとても重要なのだが、これは観てのお楽しみ。しばらくは『セプテンバー』が耳から離れなくなる。


上映日/2026年1月24日(土)13:10〜
協賛=寿鉱業株式会社