ここが見所

コッホ先生と僕らの革命(2011年/セバスチャン・グロブラー監督)

藤本逸子

実行委員会 理事
豊橋創造大学 短期大学部 名誉教授

イギリス留学を終えてドイツに帰国したコッホ先生はギムナジウムに英語教師として赴任します。19世紀末のドイツ人の多くは、反英主義的感情を持っていました。コッホ先生の担当クラスの中にも、「英語を勉強する必要があるのですか」と質問する生徒もいました。

ドイツの当時の体育の授業は、「体操」が主軸でした。号令に従って、全員一斉に同じ動きをします。優秀な兵士の育成につながる教育と言えそうです。
そのような時代に、「イギリス発祥のサッカー競技の楽しさを知る中で、仲間意識と友情の大切さを育み、同時に対戦相手に敬意を持って、フェアに行動する」「英語による競技のルールをドイツ語化することで多文化理解に繋げる」、このような大いなる目標に向かって、コッホ先生は、大奮闘します。

いつの世も先駆者は、苦労します。理解されず、迫害されることさえあります。コッホ先生も例外ではありません。コッホ先生の心が折れそうな時「あの曲」が流れます。
「あの曲」とは?
皆様、よくご存知のスコットランド民謡です。エンドロールの間も「あの曲」が流れます。

映画をご覧になってのお楽しみとして、「あの曲」の曲名はあえて伏せておきます。ちなみに、先の2020年1月、欧州議会で、イギリス離脱を惜しむ議員たちが「あの曲」を大合唱して、話題になりました。
「時がどれほど永く流れようと、君を忘れない」


上映日/2024年2月24日(土)9:30〜
提供=豊橋日独協会