ここが見所

ショーシャンクの空に(1994年/フランク・ダラボン監督)

前川みどり

実行委員会 理事
(株)エフエム豊橋パーソナリティ

物語は1947年、豪雨の夜の殺人事件から始まる。「被告を終身刑に処す」。

妻とその愛人の殺害。無実を訴えるも銀行副頭取のアンディはショーシャンク刑務所へと送られた。所長はお前たちの命は私が預かっていると冷たく言う。警棒で死ぬまで打ちのめされる新入り。襲いかかる暴力、屈辱、懲罰房。そんなアンディに興味を持ったのが囚人であり調達屋のレッドだ。やがて友となる二人。アンディはレッドに小さなハンマーとリタ・ヘイワースのポスターを注文する。

飄々と才を生かして存在を増していくアンディ。図書とモーツァルトと勉学そして未来〜しかし刑務所の中で夢は毒薬だ。不運というには長すぎる19年の歳月。そして所長により真犯人の手がかりも失ったアンディは・・・。物語はレッドをストーリーテラーに進んでいく。彼自身も不安に怯えながら。

1994年アカデミー賞7部門ノミネート。公開から30年を経ても感動を送り続ける作品だ。原作はモダンホラーの帝王スティーブン・キング「刑務所のリタ・ヘイワース」。アンディ、ティム・ロビンス。レッド、モーガン・フリーマン。監督は『ミスト』、『グリーンマイル』のフランク・ダラボン。

ラストの5分が美しい。図書係のジェームズ・アレン・ホイットモアが味わい深い。リタ・ヘイワース主演作『ギルダ』も蘇る。

2000年5月に惜しまれつつ40年の歴史を閉じた豊橋ピカデリーのラスト上映作品。パンドラの匣から最後に弱弱しく現れたという希望。希望こそが永遠の命。信じる心を呼び覚ましてくれる作品だ。


上映日/2025年2月16日(日)15:20〜
協賛=スバル東愛知販売株式会社