窓ぎわのトットちゃん(2023年/八鍬新之介監督)
湊本陽夫
実行委員会 理事
まちなかビブリオ倶楽部 代表
(株)エフエム豊橋パーソナリティ
「これは第二次世界大戦が終わるちょっと前まで、実際に東京にあった小学校と、そこに通っていた女の子のお話です」・・・黒柳徹子さんの印象的なナレーションで、この映画は始まります。
2023年公開のアニメ映画『窓ぎわのトットちゃん』は、黒柳徹子さんの自伝的小説を原作とし、戦時中激動の時代を子どもたちの視点で描いた感動作です。戦時下の日常生活がとても丁寧に描写されており、画面の隅々まで注意して作品を鑑賞してもらいたいです。また劇中の説明を削ぎ落としたシンプルな描写によって、観客自身が物語に没入し、登場人物たちと共に感じられる作品だと思います。何も説明無く、劇中に現れなくなる人物や動物の意味も考察してもらいたいですね。
同じような題材で、スロータウン映画祭でも上映された「この世界の片隅に」があります。戦時下の広島で、主人公すずさんが逞しく生きる姿に心震える大好きなアニメ作品です。(声優を務める俳優のんさんも最高!)。劇中の名セリフ「みんなが笑うて暮らせりゃええのにねぇ」が、トットちゃん達が学ぶ学校のシーンと重なります。二作品を見比べるのもオススメですよ。
作品後半になるにつれ、辛い場面も多くあります。是非、目を逸らさずに「第二次世界大戦が終わるちょっと前まで、実際に東京の片隅にあった小学校と、そこに通っていた女の子のお話」を、PLATアートスペースのスクリーンでご鑑賞ください。
上映日/2025年1月25日(土)9:30〜
協賛=小池商事株式会社