第19回とよはしまちなかスロータウン映画祭レポート
【You Tube】
第19回とよはしまちなかスロータウン映画祭 プレイバック
2021年冬。盛りだくさんの企画で盛り上がった一年前がまるで夢のように感じられます。そのような状況下で開催できたのには、多くのお力添えあってのことと心より感謝を申し上げます。
2020年4月、緊急事態宣言発出と同時期に2021年の企画会議が始まりました。まず頭を悩ませたのは「開催できるのか?」「人は再び映画を観に出かけるようになるのか?」でした。例年、上映候補作品やオープニングゲスト、アフターアワーズの企画など、楽しい会議を重ねるのですが、会議で集まることすら憚れる状況でした。
緊急事態宣言が解除され、再度、開催について検討しました。「できるか、できないか」、それはその時が来なければわからない、であるならば「やりたいか、やめておくか」で考えてみるのはどうだろうか?そんな議論の中から
それでも、映画文化のあかりを灯し続けたい。
というコピーが生まれました。これが私たち実行委員の想い。状況が許されないのであれば潔く中止を判断しよう、でもギリギリまで「できる」ように準備を進めよう!ということに方針が固まりました。
企画を考える中で、お客様に楽しんでいただくことはもちろんですが、何よりもできるだけの「安心と安全」を大切にしました。そこで、「開催期間を短縮すること」と、初回から続けてきた「“通し券”システムをやめること」を決断しました。特に後者は、スロータウン映画祭の肝と言っても過言でないほど、私たちも大切にし、お客様にも支持されてきたユニークポイントですから、真に苦渋の決断でした。
もう一つ大きな心配事がありました。スロータウン映画祭は、多くの地元企業に支えていただいています。企業も事業所もそれぞれがコロナ禍にあるのに、上映・イベントスポンサーや広告協賛をお願いしてよいものか、軒並み断られてしまったらどうしようか、その不安はとても大きなものでしたが、私たちの決断と想いをお伝えすることで、多くの企業・事業所の皆様にご賛同いただくことができました。これは本当に有難いことです。
この2つの山を越え、映画の選定を終えた頃、予てより出演依頼をしていた佐藤浩市さんの事務所からO.K.の一報が届きました。映画界全体が撮影もロードショーも延期が続き、スケジュールの見通しが立たない中、「明日までにお返事を頂けなかったら諦めよう」と言っていたまさにその日!奇跡のお知らせでした。そしてピーター・バラカンさんの来豊も決まり、全ての企画がまとまりました。
開催までに残された課題は、安心安全な会場設営です。消毒や検温はもちろん、お客様の動線の確認、スタッフが大きな声を出さずに伝わるサインボードなど、手探りながらよく準備したものだと自画自賛。開幕直前、再びの緊急事態宣言発出は些か肝を冷やしましたが、兎にも角にも開催に漕ぎつけ、無事に閉幕できたことに安堵いたしております。
大変長くなりましたが、ご来場くださったお客様、ご協力いただきました企業・事業所の皆様、劇場スタッフの皆様、運営のサポーター、関わってくださった皆様に心より感謝を申し上げます。そして、今回忘れてはならないのは、来場を見合わせたりキャンセルをなさった多くの方々のこと。来年は20周年。今年叶わなかったことが叶えられる、そんな思いでまた新しい企画に乗り出します。
とよはしまちなかスロータウン映画祭実行委員会
運営理事 金田文子
オープニングイベント:1月31日(日)@穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
「佐藤浩市 シネマ&トーク 〜映画界の今昔と役者佐藤浩市〜」
今回のオープニングイベントは、日本を代表する名優・佐藤浩市さんをお迎えし、その魅力が溢れる感動作『愛を積むひと』と豊橋ロケ作品『陽気なギャングが地球を回す』の2作品を上映。
トークショーでは、テレビドラマ『リーダーズ』での豊橋ロケの際の想い出や、映画界の大先輩である若山富三郎さんとの逸話、お父様である俳優の故三國連太郎さんや息子の寛一郎さんとの関わりなど、ここでしか聞けないであろう貴重なお話をたくさん伺うことが出来ました。
スロータウンシネマ(映画上映):2月6日(土)〜2月21日(日)(土・日曜6日間)@穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
今回は、開催期間を例年の8日間(24回上映)から6日間(18回上映)に短縮、作品数も18本から15本に絞りました。またお客様同士の密を避けるため、永らく当映画祭の“売り"であった整理券配布を伴う「通し券」「単券」を取りやめ、座席指定方式に切り替え、映画を1本観られる「鑑賞チケット」(600円)、「通し券」に代わる「6作品おまとめパック」(3,000円)としました。更に緊急事態宣言下での開催に伴い、チケット販売も定員の50%までに制限しました。
結果、1,771名が来場。入場者数で前年を大きく下回りましたが、新しい運営方式はお客様からも好評で、アンケートでは全体の9割が新方式を支持していただきました。
2回上映の作品では、4年前に当映画祭のオープニングイベントにお迎えした故樹木希林さんのドキュメンタリー作品『"樹木希林"を生きる』が一番人気。1回上映作品では、これもまたドキュメンタリーの『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』が最も人気を集め、ドイツ映画『5パーセントの奇跡 嘘から始まる素敵な人生』、豊橋出身の石川慶監督作品『蜜蜂と遠雷』がこれに続きました。
上映映画別の入場者数はこちらからご覧ください。
トークライブ:2月20日(土)@穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース
「ピーター・バラカン トーク&DJイベント Vol.V わが青春のサウンドトラック」
大好評のバラカンさんトーク&DJイベント第5弾。前回、前々回に引き続き、彼が青春時代を過ごしたロンドンの街の様子を、その当時の音楽を聴きながら追体験。大学に入学された1969年から始まり、バラカンさんを魅了した素敵な楽曲とそれにまつわるエピソードをお聞きすることができました。
今年は会場を初めて穂の国とよはし芸術劇場に変更しましたが、内容は例年通り、楽しいお話と上質な音楽の連続で、あっという間の2時間でした。
まちなかシネマルシェ:映画祭チケット販売箇所、PLAT、まちなかの飲食店で配布
「歩いて行ける!ランチマップ」(映画祭パンフレット中面掲載)
映画祭パンフレットに、メイン会場であるPLAT周辺で、映画やイベントの合間や鑑賞後に、歩いて行けるランチの美味しいお店12店舗掲載しました。
例年通り、映画祭開催期間中にチケット持参でお食事をされた方にはお得な特典があるお店もありました。
その他の活動
スピンアウトトークライブ配信、その他
2020年
会議・懇親会(計36回)
- 正副会長事務局会議
- 32回開催(2020年4月〜2021年2月@豊橋商工会議所)
- 理事会
- 3回開催(2020年7月1日/9月30日/10月28日@ボレロ)
- 全体会兼懇親会
- 1回開催(2020年11月11日@ボレロ)
とよはしまちなかスロータウン映画祭実行委員会
会長 石川誠
撮影:山下将司 他
東日新聞・一般上映始まる